東日本大震災にて被災された皆様に心からお見舞い申し上げますともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

2012年1月25日水曜日

コデックス

古代末期から中世にかけてヨーロッパで作られた冊子状の写本のことをラテン語でコデックス(codex)っていうんですって。(←ウィキペディア情報)

有名なコデックスには、所在地や所有者に由来した名前がつけらてるみたいですから、パラティヌス写本っていうのも、有名なんでしょうね、きっと。

残念ながら、ウィキペディアには、パラティヌス写本っていうのは、今のところ、ないんですけどね。

パラティヌスっていうのは、古代ローマ時代にパラティーノのことをそう呼んでいて、パラティーノの丘っていう古代ローマ時代に有名なローマの7丘のうち最も歴史が古い丘らしいですよ。古代ローマ時代、そんなところにあった写本ってことかしらねぇ。

ロルシュ修道院

ところで、"Vergilius Palatinus" (Vatikan, BAV, Pal. lat. 1631)にアクセスできるロルシュ修道院の関係者って…?

ロルシュ修道院って、ドイツにあるロルシュという街に遺構として残されている修道院で、世界遺産に登録されているんですって。

ウィキペディアによれば、このロルシュ修道院付属図書館にあった蔵書が、後に、ハイデルベルクに移され、更にヴァチカン図書館の蔵書となったみたいです。

だから、アクセス権があるんですね!

更に、ロルシュ修道院のサイトがありました。

O wenn mein Name Vergil wäre!

ウェルギリウス(Vergilius)のことを英語表記するとVergilですから…。

だんだん核心に迫ってきましたか?ってか、カリグラフィーからどんどん離れていってますね。書かなきゃ、ラスティック体を。練習しなきゃ、練習。

これって、もしかして、現実逃避…?!

ヴァチカン図書館

Yさんからは「ヴァチカン図書館で検索したら、英語のサイトでお手上げ〜」というメールが届きました。

ヴァチカン図書館…?

確かに『西洋書体の歴史』(スタン・ナイト著)によれば『パラティヌス写本』の所蔵は、「Rome, Biblioteca Apostolica Vaticana, MS. Pal. Lat. 1631.」となっています。

これを頼りにネットで検索して見つけたのは、ロルシュ図書館のブログ。こちらは、当然ドイツ語です。

ここに、"Vergilius Palatinus" (Vatikan, BAV, Pal. lat. 1631)の文字が…!!

リンクが設定されているようなので、クリックしてみたら、あらら、結局、以下の関係者しかログインできないみたいですねぇ…。
ハイデルベルク大学関係者
ハイデルベルク大学図書館の写本部門関係者
ロルシュ修道院関係者
バチカン図書館の関係者
残念。違う方向から攻めてみましょうか。

パラティヌス写本

『西洋書体の歴史』(スタン・ナイト著)によれば、『パルティヌス写本』の制作時期について、下記のように記載されています。
制作時期:本写本は通常4、5世紀の作といわれるが、最近発見された証拠では初期にラスティックで転写したウェルギリウスを6世紀にコピーした可能性が強いという。
ネットでいろいろ調べていると、聖書研究データベースというサイトが見つかりました。それによれば、『パラティヌス写本』(5c)は、アフリカ型古ラテン語写本というカテゴリーに分類されています。

単なるラテン語ではないのですね。古ラテン語、しかもアフリカ型…?

ラテン語では11世紀頃からアクセントのような短い線をつけることが始まったそうですから、そのような短い線が見当たらない…ということは、やっぱり5世紀頃の古いラテン語なんですかね。

今を生きる私たちには、わかりっこないんですね。(ちょっと安心しました。)

2012年1月22日日曜日

Rustic

私たちは、ラスティック体と言っていますが、ルスティカ体と表記している本もあります。外国語の音をカタカナで表記しようとすると、こういう無理が生じてしまうんでしょうね。
ギョエテとは 俺のことかと ゲーテ言い
なんていう川柳があるんですもの、Goethe(ギョエテとゲーテ)に比べれば、Rustic(ラスティックとルスティカ)なんてたいしたことないって思いません?

ちなみに、rusticは、ラテン語のrustica「田舎の」という意。一見すると洗練されていない文字のように見えるからかも…と、高宮利行氏(『西洋書体の歴史』の訳者)が、用語注解で述べています。

出典不明

先生からトレースしましょう…といただいたコピーは、『西洋書体の歴史』(スタン・ナイト著)の26ページにある図版ですが、これ、出典が不明なんですね。

28ページに掲載されてる図版(スクエア・キャピタルの例)は、同じくウェルギリウスの『農事詩』というのがわかっているようですが、ラスティック・キャピタルの図版は、ウェルギリウスの作品ということだけしかわからないようです。

ウェルギリウスといえば、とりわけ『アエネーイス』が有名ですが、もちろん原書(ラテン語)で読んだことなんてありません。はるか昔々に、岩波文庫なんかでちょろっと読んだのを覚えているくらい…。

西洋書体の歴史 〜序論

勉強熱心なYさんに触発され、私も『西洋書体の歴史』(スタン・ナイト著)を読むことにしました。

序論に、フムフム…と思うことが書いてあります。
(前略)取り扱う書体のどれ1つをとっても手本帳として意図されていないことに留意しなければならない。その結果、それらは常に首尾一貫してあるいは「完璧に」書かれているとは限らない。もし、それらを手本として用いるのなら、ある程度の包容力が必要である。
そうです。活字を組んでいるわけではないのです。手書きの文字なので、バラツキやら間違いなんかがあっても、それはご愛嬌というものです。4〜5世紀、あるいは6世紀の手書きの写本文字に「完璧」を求めても無理ですね。手書きで256ページも書いてるということが、そもそもあり得ないお話で…。その人の癖みたいなものもあるでしょうし…。

西洋彩色写本とファクシミリ展

地方都市に在住っていうのが、なんとも悲しい現実です。都会じゃ、こんな展覧会もしていたというのに…。
会 期:2011年10月12日(水)〜18日(火)
時 間:9:30〜20:30(最終日は、17:00まで)
会 場:丸善・日本橋店 3Fギャラリー
    東京都中央区日本橋2-3-10
ま、パソコンで見ることができる世の中になっただけでもマシですかねぇ…。

ラテン語

勉強熱心なYさんは、昨日のクラスの後、図書館に寄り、ラテン語の本を借りたそうです。

もしかして、トレースしたパラティヌス写本を解読しようとしている…?!

我が家にもラテン語の教本がありますが、開くのが怖いです。

で、ラテン語。

古代には、大文字しかありません。小文字は後に、草書体から生まれました。一般には、中世に入ってから使われます。

 「I」と「J」
もともと「I」しかありません。これで母音も子音も表していましたが、後に「J」が作られ、「I」が母音、「J」が子音となります。

 「U」と「V」
これも同様で、後に「U」が作られ、「U」が母音、「V」が子音を表すというのが原則です。

 「Y」と「Z」
主にギリシア語など外来語を表記する必要性から、遅れてラテン文字に追加された文字です。

トレースした部分には、確か「Y」ありましたね…。う〜ん。頭痛い…。

エリック・ギルのタイポグラフィ −文字の芸術

先生からいただいた資料の中に、展覧会のチラシがありました。内容も素晴らしいのですが、チラシも素敵です。

枚数に限りがありますので、こちらのチラシもコピーしています。幸い、モノクロのチラシなので、表裏を並べてA3サイズでコピーしても1枚5円!!(近所のスーパーのコピー機は、モノクロであれば、A4もA3も、1枚5円!!)

ただ、凝ったデザインで黒インクの上にニス(クリアインク)がのっていて、要するに盛り上がってるんですねぇ…。このあたりは、コピーでは対応できませんので、ご了承くださいね。

チラシが当たるか、コピーが当たるかどうかは、次回、高画質カラープリントプレゼント争奪戦の時に一緒に決めましょう。

ちなみに、展覧会のご案内は、以下のとおりです。

エリック・ギルのタイポグラフィ −文字の芸術
会 期:2011年12月17日(土)〜2012年1月29日(日)
時 間:10:00〜18:00(入館は、17:30まで)
会 場:多摩美術大学美術館
    東京都多摩市落合1-33-1

2月〜5月までのスケジュール

2月〜5月までのスケジュールをお知らせします。
2月11日(土) 13時〜17時
3月10日(土) 13時〜17時
4月14日(土) 13時〜17時
5月12日(土) 13時〜17時
4月からの会費や詳細については、後日お知らせしますね。

アメリカ独立宣言

高画質カラープリントプレゼントの作品の中に、アメリカ独立宣言をデコレーションしたものがあります。

2005年に、アメリカに行った時、ワシントンD.C.にある議会図書館のショップで、アメリカ独立宣言、アメリカ合衆国憲法、権利章典の3つの建国正式文書のコピーをお土産に買って帰ってきたことを思い出しました。

で、探しました。

ありました、ありました。今、議会図書館のネットショップでは、$8で売ってますが、当時、$5で買ってきています。

このほか、グーテンベルグの『グーテンベルグ聖書』(完全な形で現存する3部のうちの1部)も貴重な所蔵品として有名ですが、このポストカードも買ってきてるはず…。

忘れなければ、次回のクラスにお持ちしますね…。

高画質カラープリントプレゼント

お一人一枚という高画質カラープリントのプレゼントですが「全部欲しい!」というリクエストに応え、安価なカラーコピーをして、セットを作りました。セットされているプリントのうち、1枚が高画質カラープリント、残りは安価なカラーコピーです。

どの高画質カラープリントが当たるかは、次回「ジャンケン or あみだくじ」で決めましょう。ご欠席の方は、申し訳ないですが、欠席裁判ということでご了承ください。

皆さん、ジャンケンの腕をあげておいてくださいっ!!

注)プレゼントの作品画像は、あくまでも個人で楽しむだけにしてくださいね。

お疲れさまでした

昨日は、悪天候の中、ご参加いただきありがとうございました。

トレース…。時間がかかるだろうことは、ある程度予想はしていましたが…。疲れましたね。手首がツリそうです。

トレースしたものをお手本に、黒のインクかガッシュで書く…というところまでには至りませんでしたね、当然。もちろん、カドミウムレッドのガッシュで書くなんて、とんでもないことでしたね。

ぼちぼち頑張りましょう。

2012年1月17日火曜日

1月の課題

1月の課題は、ずばり「トレース」です。

厚めのトレーシングペーパーをご用意しています。もし、手持ちで薄めのトレーシングペーパーがあればご用意を。

ラスティック体を赤のガッシュで書いて、黄色のガッシュで空間を埋めていく…というテクニックも時間があれば、やりましょう。

あくまでも時間があれば…です。きっとトレースに時間がかかるかな…と思うのですが、ま、がんばりましょう。(赤のガッシュもご用意して参りますので、ご心配なく!)

2012年1月14日土曜日

安井寿磨子版画展

村上龍や瀬戸内寂聴の本の装丁でおなじみの安井寿磨子さんの展覧会です。

数年前に朝日新聞の連載の挿絵を担当されていたので、ご存知の方もいらっしゃるかも…。

入場料は無料ですので、お近くまでお出かけの際は、ぜひ。

第13回堺市所蔵美術作品展 晶子さんを想う−安井寿磨子 版画展−
会 期:2012年2月11日(土)〜3月11日(日)
時 間:9:30〜19:00(入館は、18:30まで)
会 場:堺市立文化館ギャラリー
    堺市南区田出井町1番2-200号 ベルマージュ堺 弐番館
    (JR阪和線「堺市駅」前)

2012年1月9日月曜日

ハンコって何?

『ハンコって何?』という、軽妙なタイトルの展覧会を見てきました。

♪ハンコ、ハンコ。

消しゴムハンコ、しましたねぇ…。

で、文字の部分を凹ませる方法。これを陰文っていうそうなんですが、彫ることを考えると、絶対にこっちの方が彫りやすいんだけど、この陰文っていう方が、正式な落款印なんだそうです。一方、文字以外の部分を凹ませて、文字を浮き出させる方法(こっちの方が彫るのは、絶対難しいと思う)のことは、陽文っていうんだそうです。お勉強になりましたね。

ハンコって何?
会 期:2011年12月10日(土)〜2012年1月22日(日)
時 間:9:30〜17:00(入館は、16:30まで)
会 場:和歌山県立博物館
    和歌山市吹上1-4-14

The Asahi Shimbun GLOBE

朝日新聞を購読されている方なら、ご存知だと思いますが、1月8日の新日曜版『The Asahi Shimbun GLOBE』の特集が「書の冒険 Calligraphy Today」です。日本の書道だけでなく、アラビア書道のことも載っていて、もちろん我らが西洋カリグラフィーのことも載ってます。

先生の先生、ミュリエル・ガチーニ大先生のお写真やら作品、コメント…。そして、このブログでもお知らせしたことがある、故スティーブ・ジョブズが大学中退後にカリグラフィーを学んで、あのMacintoshの美しいフォントが作られたお話も…。

2012年1月3日火曜日

新春現代美術展

新春、最初のご案内。
新春現代美術展
会 期:2012年1月15日(日)〜1月29日(日)
時 間:10:00〜17:00(水曜休廊)初日は、13:00〜17:00
会 場:ギャラリー猫亀屋
    大阪府泉南郡岬町淡輪4193-2
去年納車された新車でお出かけする最初の画廊になりそうです…。

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

皆様、すてきな年賀状をありがとうございました。もう、立派な小作品ですね!

年始に、初詣をかねて遠方の神社へ出かけついでに、例のケーキ屋さんを訪ねましたが、残念ながら、お休みでした…。ホームページでは、お休みは、12月26日と元旦のみ…となっていたのですが…。残念。

またの機会を見つけて訪ねてみますね。